>地震、その後

>地震の後、いろいろな出来事があります。

現地では津波被害があったり、盗難や強姦被害があったり、食料不足があったりします。

現地以外でも、台湾から支援金3億8000万円が送られてきたり、アメリカから救助隊が派遣されたりします。

そのひとつ、ネットではいろいろな種類の人がいろいろ騒いでるわけです。

例えば、

ツタヤがやっちまった、この地震の中、不謹慎にもほどがあると怒りの声あがる

この事件。

TSUTAYA社員が「テレビは地震特番ばかりでつまらない」と言ったことで2chが炎上しました。

これについて、少々徒然草から引用したいと思います。第30段です。

1.人の亡きあとばかり、悲しきはなし。

2.中陰のほど、山里などに移ろひて、便あしく、狭き所にあまたあひ居て、後のわざども営

3.み合へる、心あわたゝし。日数の速く過ぐるほどぞ、ものにも似ぬ。果ての日は、いと情

4.けなう、たがひに言ふ事もなく、我賢げに物ひきしたゝめ、ちりぢりに行きあかれぬ。も

5.との住みかに帰りてぞ、さらに悲しき事は多かるべき。「しかしかのことは、あなかし

6.こ、跡のため忌むなることぞ」など言へるこそ、かばかりの中に何かはと、人の心はなほ

7.うたて覚ゆれ。

8.年月経ても、つゆ忘るゝにはあらねど、去る者は日々に疎しと言へることなれば、さはい

9.へど、その際ばかりは覚えぬにや、よしなし事いひて、うちも笑ひぬ。骸は気うとき山の

10.中にをさめて、さるべき日ばかり詣でつゝ見れば、ほどなく、卒都婆も苔むし、木の葉

11.降り埋みて、夕べの嵐、夜の月のみぞ、こととふよすがなりける。

12.思ひ出でて偲ぶ人あらんほどこそあらめ、そもまたほどなく失せて、聞き伝ふるばかり

13.の末々は、あはれとやは思ふ。さるは、跡とふわざも絶えぬれば、いづれの人と名をだ

14.に知らず、年々の春の草のみぞ、心あらん人はあはれと見るべきを、果ては、嵐に咽び

15.し松も千年を待たで薪に摧かれ、古き墳は犂かれて田となりぬ。その形だになくなりぬ

16.るぞ悲しき。





という文章です。





中陰というのは人が亡くなってから49日間のことです。……はここではどうでもよくて

読んで欲しいのは5~7行目にかけての文章です。

『そういう事は、まぁなんて縁起の悪い、後の子孫のために避けるべきですよ』なんて言うことは、こんな悲しい状況で何を言っているんだと人の心はいやらしいものだと思わされてしまう

という意味です。

つまり、不謹慎だ、と騒いでいる人を批判しているわけです。

確かに、不謹慎だと騒ぐ人は心のどこかで「本当はそうだけど、でも体裁を保つためには」という感情をいだいているように思われます。

世の中の意見ってすごい複雑ですね

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